2015年の甲子園、100年目の節目の年にふさわしい試合が行われました。
8月8日に行われた春の選抜優勝校で、夏の甲子園でもゆるぎない優勝候補の一角である敦賀気比高校と、いまだに甲子園で初戦敗退をしたことがないという明徳義塾高校の一戦です。
今日は、歴史に残る名勝負、2015年の夏の甲子園1回戦、明徳義塾と敦賀気比高校の試合について語ってみたいと思います。
特に私が注目したのは、今大会屈指の好投手でもある、敦賀気比高校の平沼翔太投手でした。私の事前の予想では、明徳義塾は平沼投手の前に、手も足も出ないだろうというものでした。
結果は、私の予想とは大きく異なり、明徳義塾高校が先制点を挙げ、最終回、延長戦までもつれる展開となりました。
今回の試合では、明徳義塾の強さとうまさばかりが目立ち、王者である敦賀気比高校の良さがあまり見られなかった試合でもありました。
【平沼翔太投手が思わぬ誤算!】
今回の試合で、私が痛切に感じたことは、チームの雰囲気づくりの重要さでした。技術的な部分を含めたチーム内の雰囲気作りは、なんといっても監督の大きな仕事です。
まず、平沼翔太投手の特徴ですが、伸びのあるまっすぐはもちろんなのですが、持ち味は変化球にあります。ブレーキの利いたスライダーは超高校級のキレがあります。
初回の投球を見ていたところ、やや投げにくそうにしていましたよね。アウトコースへのコントロールもいまいちでした。本来コントロールの良い彼が、制球をみだした理由の一つが過信です。
ほかでもない自分自身に対する自信過剰と見ました。
落ち着いたマウンドさばき、ゆったりとした投球、見ていてわかりました。私もまさか敦賀気比が苦戦するとは思っていませんでしたが、マウンドに立っていた平沼投手も同じような気持ちだったに違いありません。
その大きな勘違いが、相手に付け入るスキを与えてしまったのです。
明徳義塾高校、馬淵史郎監督の名采配だと思いますが、初回、明徳義塾高校の打者は、バッターボックスのベース寄りギリギリに構えて、平沼投手に無言の圧力をかけていきます。
平沼投手はいかにも投げにくそうなしぐさで、初回から苦しい投球を強いられ、ワイルドピッチとポテンヒットで先制点を与えてしまうことになるのでした。
ピッチャーは、打者が打席のどの位置に構えても、ホームベースを基準に判断して投球しようとしますね。打者とホームベースとの距離のギャップが、今回の平沼投手の乱れにつながりました。
4回以降は立ち直りましたが、技術的な問題よりも、精神的な強さが光った部分、選抜からの成長を大いに感じることができました。
【今回は相手の勝ち!さらなる進化に期待する】
現在は打高投低の時代と言われますが、まさか平沼投手のスライダーが簡単に安打されるとは、私も予想していませんでしたね。
アウトコースに正確にコントロールされたボールも、いとも簡単に逆方向に打ち返す・・明徳義塾の各バッターにも脱帽です。
平沼投手には、今後の活躍を心から期待しているのです。
試合では、辛くも勝利を収めることに成功しましたが、投手としては完全に負けです。
私としては、佐藤世那投手との投げ合いを見たいので、なんとか勝ち残って、100年の甲子園にふさわしい、白熱した名勝負を見せてほしいと思っています。
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